美容やスキンケアの分野では、新しい成分や技術が常に注目を集めています。その中でとくに注目を集めているのが「APPS(アプレシエ)」と呼ばれる進化型ビタミンC誘導体です。
最新のエイジングケアに欠かせない成分として、APPS(アプレシエ)は驚異の浸透力で、ビタミンCを効果的に皮膚深層に届けられます。今回は、そんなAPPS(アプレシエ)の特徴や効果、メリット・デメリットを分かりやすくご紹介します。
APPS(アプレシエ)とは
APPS(アプレシエ)は、ビタミンC誘導体の一種で、ビタミンCを人工的に変化させたものです。
進化型ビタミンC誘導体とされるAPPS(アプレシエ)は、2000年にアスコルビルリン酸Na(APS)を改良して生まれました。水溶性ビタミンC誘導体に、親油性成分を加え肌への浸透性を飛躍的に向上させています。
そのため、水と油の両方に親和性を持ち、高い浸透性やメラニン生成の抑制、コラーゲン合成の促進など、優れた美肌効果が期待できます。
APPS(アプレシエ)とビタミンC誘導体の違い
ビタミンC誘導体は通常、水溶性と油溶性の2つのタイプに分類されます。
水溶性ビタミンC誘導体は、化粧水などに使用される一般的なビタミンC誘導体です。水に溶けやすく、肌表面で効果を発揮しますが、肌のバリア機能によって真皮への浸透が難しいとされています。同時に、敏感肌の方には刺激を感じるケースもあるでしょう。
それに対して、油溶性ビタミンC誘導体は表皮を通り抜け、真皮まで深く浸透して効果を発揮します。安定性が高く、成分が壊れにくい反面、浸透が遅く、ベタつきを感じやすいのが特徴です。
APPS(アプレシエ)は、水溶性と油溶性の両方の性質を併せ持つ両親媒性ビタミンC誘導体です。肌深部まで浸透して効果を発揮すると同時に、効果の持続力も実感できるでしょう。
APPS(アプレシエ)に期待できる5つの効果
APPS(アプレシエ)には、さまざまな効果が期待できます。それぞれを詳しく見ていきましょう。
高い浸透力
APPS(アプレシエ)は、真皮層にまで届く浸透力と速効性により、スキンケアの分野で注目を集めています。
とくに、肌への浸透性が、従来のビタミンC誘導体に比べて約10〜100倍といわれています。角質層は、主に脂溶性成分であるセラミドや皮脂によって構成されています。逆に、角質層の奥深くに位置する基底層や真皮は水溶性が特性です。
APPS(アプレシエ)は水溶性と脂溶性の両方の性質を持っているからこそ、肌のバリアである角質層をスムーズに通り抜けられるのです。その結果、肌の奥深い部分まで速やかに有効成分が浸透し、肌全体の調子を整える効果が期待できます。
美白効果
APPS(アプレシエ)はビタミンC誘導体として、美白効果が期待できます。
まず、新しいシミができるのを防ぐために、メラニン色素の合成を促進するチロシナーゼを抑制します。
次に、すでにあるシミの色を薄くするために、黒色メラニンを無色化する働きかけを促進するのです。最後に、強力な抗酸化作用で、肌の炎症を抑え、新しいシミを作らないようにし、透明感のある肌を目指すための効果的なサポートをしてくれます。
アンチエイジング効果
APPS(アプレシエ)はアンチエイジングの観点からも注目を浴びています。真皮層まで到達する浸透力を持つことから、コラーゲン生成を促進することで、肌のハリ、たるみなど大人の肌悩みを改善する効果が期待できます。同時に、抗酸化作用によって活性酸素の生成を抑え、視覚的に肌の老化を防げるでしょう。
また、APPS(アプレシエ)は抗しわ効果も期待されている成分です。そもそもしわは、太陽からの紫外線A波が真皮層に届き、そこにあるコラーゲンにダメージを与えることから生じます。
しかしAPPS(アプレシエ)は真皮層にまでリーチできるため、紫外線で傷ついたコラーゲンのダメージに効果を発揮することが期待されています。
実際に皮膚科医の指導下で行われたAPPS(アプレシエ)の効果検証試験があり、21名の女性被験者に対してAPPS(アプレシエ)1%を含むローションを使用させたことがありました。1~3か月使用した後に確認した結果、目じり部分のしわが減少していることが認められています。
ニキビ・毛穴効果
APPS(アプレシエ)は皮脂の過剰分泌を抑制する効果があります。そのため、ニキビや毛穴の黒ずみ・開きなどの改善にも効果を発揮します。保湿効果も高く、乾燥による毛穴の目立ちにも一定の効果が期待できるでしょう。
皮脂の抑制に加えて炎症を鎮める効果もあるため、ニキビや吹き出物の予防も期待できます。
低刺激
APPS(アプレシエ)は乾燥や刺激を軽減するため、敏感肌や乾燥肌の方でも安心して使用できます。
従来のビタミンC誘導体は、使用することで皮脂分泌が抑制されるため、乾燥感や刺激を感じることがありました。しかし、APPS(アプレシエ)は、肌に存在する皮脂成分であるパルミチン酸を追加することで、肌への親和性が高くなっています。
パルミチン酸は、皮脂に含まれる脂肪酸の一種で、肌表面に存在する天然の脂質成分です。APPS(アプレシエ)がパルミチン酸を含んでいることにより、水溶性ビタミンC誘導体が引き起こす可能性のある乾燥感や刺激を軽減できるでしょう。
APPS(アプレシエ)のメリット
APPS(アプレシエ)は極めて刺激が少ないため、敏感肌の方でも安心して使用できます。通常、従来の水溶性ビタミンC誘導体は濃度が高まると刺激が増し、肌が赤くなることがありますが、APPS(アプレシエ)を使用する際はその心配がありません。
また、APPS(アプレシエ)は高い浸透力を持っているため、即効性を感じつつも、肌への負担が少なく快適な使用が期待できます。
APPS(アプレシエ)のデメリット
APPS(アプレシエ)のデメリットとして、成分が劣化しやすく安定性が低い点が挙げられます。
高い浸透性を持つため、相対的に配合濃度を低くしても十分な美肌効果を発揮するAPPS(アプレシエ)ですが、大量に配合することが難しく、とくに高温多湿の環境では酸化が進みやすくなります。そのため、開封後は冷蔵庫で保管し、早めに使い切る必要があるでしょう。
また、価格面でも、ほかのビタミンC誘導体に比べて高価であるという点が懸念されるでしょう。
まとめ
美容液や化粧水にはビタミンC誘導体がいくつか含まれていますが、注目すべき成分はAPPS(アプレシエ)が入っているかどうかです。通常、美しい肌を保つには約1,000mgのビタミンCが必要といわれています。推奨されている1日の摂取量は100mgですが、日常の食事から十分なビタミンCを十分に摂るのは容易ではありません。美肌に欠かせないビタミンCの適切な補給には、ビタミンC誘導体が配合された化粧水が役立ちます。
APPS(アプレシエ)は、コラーゲン生成やメラニンの排出、ターンオーバー促進など、肌の奥深いケアが期待でき、シワやハリに対するアンチエイジング作用や美白作用にも効果を発揮するでしょう。
APPS(アプレシエ)を含んだスキンケア製品を選ぶことで、肌に豊富な栄養素を届けられ、美肌への近道を実現できます。